VPS

[1] Windowsは、Hyper-Vより、Virtuozzoの方が速い

完全仮想型では、ハイパーバイザー(ソフトウェア)でハードウェアと同じ動作を実現する。OSはその上、アプリケーションは、さらにその上だ。

以前にもお伝えしましたが、仮想サーバーは、その仕組み(仮想化基盤)として、ハードウェアを模倣する完全仮想型と、同じカーネルが複数の仮想サーバーのプロセスを処理するコンテナ型に大別できます。前者の方がオーソドックスな仮想化で、どのようなOSも動きますが、オーバーヘッドが大きくなります(http://www.joes-vps.com)。同じOSだけでよいのであれば、例えばLinuxのCent OSだけとかWindowsだけとかであれば、むしろ後者の方が処理が効率的です(Unixbenchなどを測定してみるとよくわかります)。

 

コンテナ型は、一つのカーネルが複数の仮想サーバーのプロセスを処理する。

Joe’sでも、Linuxに関しては、LXC (Linux Container)とよばれるコンテナ型の仮想化基盤の商用サービスを世界に先駆けて提供しています。コンテナ型では、この他にも、ParallelsのVirtuozzoと、そのオープンソース版であるOpen VZがホスティング業者のVPSのサービスとしてよく利用されています。

 

Parallels Virtuozzoのスナップショット

WinodowsのVPSに関しては、マイクロソフト社がHyper-Vという完全仮想の基盤を推進していることから、Hyper-Vの上で動作するように提供されることが多いようです。他方、ParallelsのVirtuozzoに関しては、Windowsも提供されています(Open VZでは提供されていない)。

 

今回は、Windowsであっても、完全仮想型とコンテナ型の特性が出るかどうか、すなわちWindowsのみを動かすのであれば、Virtuozzoの方が処理効率として有利であるかどうか、を検証してみました。ここで、ベンチマークに使用した、CrystalMark(http://crystalmark.info/) は、Windowsの性能を評価するのによく用いられる指標です。

パラレルス 富田直美氏(左から2番目)と土居昌博氏(一番右)。Parallels Sumitt (2011年9月)。

測定してみると、予期したように、Virtuozzoの方が、Hyper-Vよりも処理効率がよいことがわかりました。

また、Virtuozzoは、Microsoftが公開しているセキュリティ情報を自動的に認識して適用するので、ユーザ側でのアップデートは必要がありません。また、コンテナであるにもかかわらず、WindowsServerの全機能が利用できることもVirtuozzoの大きな魅力であると思われます。

特に、Joe’sでは、メモリ1GBディスク100GBのWundows VPS (Virtuozzo) を月額1,600円で提供しています (http://www.joes-vps.com)。よろしければ、ご検討いただければと思います。

[1]月額625円のデータセンターは、いかが

LAN内ではプライベートIP、インターネットではグローバルIP

仮想専用サーバー(Virtual Private Server, VPS)を単に専用サーバーという人もいます。これは、サーバーのルート権限を利用できれば、論理的には専用サーバーを利用しているのと同じ、という考えからきています。同様に、仮想データセンター(Virtual Data Center)という概念もあります。LANがあって、その中にインターネットとやりとりするルータがあれば、それはデータセンターになります。

 

CloudStackでのNAT変換の設定

インターネットでの通信は、インターネット上で使用できる正式なIPアドレス(グローバルIP)で行き先を指定する必要があります。しかしLANでは、LANの中だけで通用するIPアドレス(プライベートIP、192.168,…など)で通信すればよいことになります。各サーバーは自分のグローバルIPを知らなくても、LANの外に出ていく際に中継器(ルータ, ゲートウェイ)がネットワークアドレス変換(NAT)という機能で、プライベートIPとグローバルIPを相互に変換してくれるので大丈夫です。

 

NATは、納豆ではない

物理的なルータでなくても、NATの機能をもつ仮想サーバーであれば、それは仮想ルータになります。Joe’sでは、クラウドでなくても、一部のVPSのサービスで仮想ルータ(あまり意識されない)と仮想サーバーの両方を提供しています。仮想ルータ以外に仮想サーバーが1個だけあるデータセンターです。Joe’sのVPSサービスのハイパーバイザー型(KVM, Xen, VMware)では、月額625円のミニマム版から、この機能があります。つまり、グローバルIPを、サーバー内で設定するのではなく、コンパネから仮想ルータのNAT機能で設定します。この月額625円には、ラックや回線だけではなく、サーバーの利用代金も含まれているので大変お得です。

 

3月16日(金)-17日(土)に明星大学で開催のオープンソースカンファレンスで、月額625円のデータセンターのアカウントが無償(1年間)で配布される

また、外部から通したくないポートを指定(ファイアーウォール)できます。そして、VPSを2契約以上にして、LAN内に仮想サーバーを複数置いてロードバランサー(負荷分散)の機能を利用することもできます。そのようにしているうちに仮想サーバーを増やすことが楽しくなってきます。

 

これらの機能は、Joe’sの自社開発ではなく、CloudStackというクラウド環境を提供するソフトウェアの一部の機能を利用して実現されています。オープンソースではありますが、Xenの仮想化環境を開発してきた米国Citrix社が管理していて、国内でもCloudStackを利用した商用サービスが多くでています。

2012年3月16日、17日に明星大学で開催されるオープンソースカンファレンスで、この月額625円のVPSの1年間無償アカウントを配布します。是非、Joe’sのブースにお越しください。

1月号[2] Joe’sの完全仮想KVMのVPS、同じ仕様の他社サービスと比較してみました。

現在、Joe’sのようなレンタルサーバーの業者では、資源の有効利用やユーザーの利便性を目的に、ユーザー毎に1台の物理的なサーバーを用意するのではなく、物理サーバー上をソフトウェアで論理的に分割し、複数の仮想的なサーバーとして利用出来る様にしています。VPS(Virtual Private Machine)は、その仮想サーバーの1つを契約者の方にサービスとして提供するものです。

最近、KVM(kernel-based Virtual Machine)のVPSで、Joe’sのプランKVM-4A(月額625円)と同じ、メモリ512MB、ディスク20GBの仕様のものが、他社でも提供(月額980円)されていることがわかりました。KVMは、物理サーバーの上で、複数の仮想サーバーを管理するソフトウェア(ハイパーバイザー)の一つで、XenやVMwareと比較すると、過去の実績では今一歩ですが、Linuxの標準として組み込まれるようになってからは、利用者が増えています。KVMは、Joe’sでも、2007年から検証を重ねてきました。

Joe'sと同じスペックの他社のベンチマークを取ってみた

今回、Joe’sと他社のメモリ512MB、ディスク20GBのVPSのサービスで、ベンチマークを取り、またコンパネの機能を分析して、比較をして見ました。

まず、Joe’sのVPSで、ddというコマンドをたたいて、ハードディスクへのアクセス速度を測定しました。

[root@i-2-44-VM /]# dd if=/dev/zero of=/a bs=1M count=1000
1000+0 records in
1000+0 records out
1048576000 bytes (1.0 GB) copied, 9.12367 s, 115 MB/s

他社の方は、2倍以上の時間がかかりました(下記)。
[root@www8363u /]# dd if=/dev/zero of=/a bs=1M count=1000
1000+0 records in
1000+0 records out
1048576000 bytes (1.0 GB) copied, 25.4313 seconds, 41.2 MB/s

次に、UnixBenchで、システム全体のベンチマークツールで数値を測定してみました。他社のVPSでは1327.8、Joe’sのは1999.3という数値が出ています(数値が大きい程性能が高い事を示します)。ともに2コアで、512バイトのメモリです。

Joe'sですぐに使えるテンプレート

これ以外に、fioというFusion-io社が推奨しているI/Oのベンチマークツールでも、優れた性能を示していることがわかりました(表を参照して下さい)。計測においては、精度をなるべく高くする為に、朝・日中・夜間の時間帯に数値を測定していますが、ほぼ同じ結果が得られています。

Joe’sではKVMに長年携わっていて、特性を十分に把握しています。そのため、十分なチューニングができていて、そのことがベンチマークでの優位性を発揮する主な要因であると、判断しています。

Joe’sのVPSは、VPSサービスのサイト(http://www.joes-vps.com/)でアカウントを取得して、ご自身で性能を検証することが可能です(Joe’sのVPSは、アカウントを発行してもらっても、30日以内に支払わなければ自動キャンセルになります)。

次に、コンパネを操作してみました。

先ほどからあげている他社のものでは、プレインストールされたOS以外を選択する場合、ISOイメージ(インストールCD/DVD等の媒体を1つのイメージファイルに変換したもの)のものが12種類用意されています。(ISOイメージとは、インストールCD/DVD等の媒体を1つのイメージファイルに変換したものと考えて頂ければと思います) ISOイメージを用いた場合、通常のOSインストールと同じ手順でインストールを行う必要がありますので、OSインストール済のHDDイメージから構成する場合と比較して手間が増えることとなります。また、他社のものではISOイメージはあらかじめ決まったものしか利用出来ない為、それ以外のOSをインストールすることができませんが、Joe’のVPSではコンパネからISOイメージを登録する機能がありますので、様々な用途に利用することが可能です。

他社のコンパネでは、プレインストールされたOS以外は、ISOイメージだけが12種類用意されていた

Joe’sでは、VPSのコピーを「スナップショット」という形で取得し、それを使ってVPSを構築することが可能な為、複数のVPSを契約して、様々な設定が完了した状態のスナップショットから構築することで、システム構築の負荷を大幅に削減することが出来ます。

Joe'sでは、コンパネ内部にない場合、URLを指定すれば、自由にダウンロードできる

また、ネットワーク機能としては仮想ルータ機能が実装されており、ポート転送(任意のポートへのアクセスをVPS側の指定したポートに転送する機能)や、VPN(Virtual Private Network)、ファイアーウオールの設定なども容易です。さらに、ロードバランサー機能も搭載されている為、VPSを2アカウント以上契約すると、複数のVPSでロードバランンシング(アクセスを分散させて性能向上や耐障害性を高めること)を行うことが可能です。

人気のネットワーク機能。NAT、ロードバランサ、VPNが標準になっている。

これらの高度なテンプレート管理、ネットワーク機能、ロードバランサなど、クラウド的な機能は、先ほどからあげている他社のVPSでは上位価格帯のクラウドサービスのみで提供されており、VPSでは対応していませんでした。

Joe’sのVPSでは、KVMではなく、XenやVMwareをご希望の場合には、まったく同じ料金でそれらを選択できます。是非、お試しいただければと思います。http://www.joes-vps.com

11月号[3] Joe’sのVPSに、VMwareとXenServerが追加。CloudStackのハイパーバイザーとして

完全仮想化と準仮想化

Joe’sでは、10月24日から、KVM(Kernel-based Virtual Machine)のVPS(Virtual Private Machine)とプライベートクラウドを提供しています。11月15日より、やはりCloudStackのハイパーバイザーとして、VMware vSphere HypervisorとXenServerをご利用いただけるようになりました(http://www.joes-vps.com)。ここで、ハイパーバイザーとは、KVMのように仮想化を管理するソフトウェアのことをさします。

ハイパーバイザーの歴史を作ってきたVMware

VMware(ヴイエムウェア)は、仮想サーバーの環境構築用のソフトウェアを提供する会社です。1998年に設立され、米国カリフォルニア州に本拠を置いています。2003年には日本法人も設立されています。

VMware vSphere Hypervisorは、従来VMware ESXiとよばれていた製品で、マイクロソフトのHyper-Vに対抗するために、2008年7月に無償公開されました。完全仮想化方式で長い実績を持つハイパーバイザーで、多くの対応OSおよび対応ハードウェアを持っています。

準仮想化のオープンソースとして発展してきたXenServer

他方、XenServer(ゼンサーバー)は、研究プロジェクトXenとして発足しました。2007年にCitrix社に買収され、2009年までは一部有償でしたが、仮想化環境管理ツールであるXenServer for Essentialsが分離され、完全な無償提供になりました。また、基本部分は発足時からずっとオープンソースで、コミュニティでの開発が続けられてきました。

Xenは元来、準仮想型を前提として開発されています。ここで、準仮想型とは、実在のハードウェアを完全にエミュレートする代わりに、仮想サーバー環境を実現するのに都合の良い仮想的なハードウェアを定義するものです。この仮想ハードウェアを操作をするためには、ハイパーバイザコールを呼び出す必要がありますが、完全仮想化に比べてパフォーマンスが向上します。

CloudStackのデモ画面

CloudStackでは、特定のハイパーバイザーを想定していません。KVMでも、VMware vSphere Hypervisorでも、XenServerでも問題なく動作します。VMware vSphere Hypervisor, XenServerとも完全仮想、準仮想の両方を装備しています。

また、仮想サーバー1個を提供するサービス(VPS)は、LXC, KVM, VMware vSphere Hypervisor,XenServer共通して月額750円からとなります。

また、月額4万円台のプライベートクラウドでも、KVM以外に、VMware vSphere HypervisorとXenServerが利用可能です。

11月号[1] 徹底分析: OpenVZのVPSサービスは意味があるのか

人気のParallels商品


一口にVPSと言っても、様々な仮想化方式があります。現在は物理サーバーの上で、複数の仮想サーバーに対して仮想マシンとゲストOSを提供する、いわゆる完全仮想型がオーソドックスです。その他にも、異なる仮想サーバーに対応するプロセス群を、同じカーネルで処理し、仮想マシンやゲストOSと言った層を用いずに、それぞれの権限や影響範囲を限定させる、コンテナ型(OS仮想化)という方式もあります。両者で優劣があるという事ではなく、開発向けには完全仮想型、効率重視や運用向けにはコンテナ型というふうに、用途で使い分けられている様です(http://www.joes-vps.com)。

Parallels Virtuozzoのデモ画面


最近になって、コンテナ型に分類されるOpenVZによるVPSのサービスが、他社で新たに始まっています。Joe’sでは、OpenVZについての機能と性能を分析して、検討されている皆さんに客観的な情報を提供させていただくことにしました。

そもそも、OpenVZは、VirtuozzoというParallels社の仮想サーバー環境を構築管理するシステムのオープンソース版です。Virtuozzoは、2001年にリリースされ、現在では多くのホスティング会社が、それを利用してVPSのサービスを提供しています。

オープンソースだから悪いという結論にはなりませんが、OpenVZではParallels純正のブラウザベースの扱いやすい管理GUIが利用できません。他方、Virtuozzoでは、管理GUIから、仮想環境の起動、停止、再起動などの操作が容易に行えます。また、仮想環境上で稼働しているプロセスの管理、リソース状況の確認、ファイアーウォール(iptables)の設定等が容易に行え、さらに、仮想環境の再インストールや修復も可能です。OpenVZの場合、上記の動作をコマンドラインから行う必要があり煩雑になってきます。

Parallels Pleskのデモ画面

この他、VirtuozzoでなくOpenVZを提供している業者は、より割高なPleskライセンス費用の支払いが必要となり、Pleskを必要とする顧客層へ、通常より大きなコストを負担させる事になります。Virtuozzoと共にPleskライセンスを購入する場合、レンタルサーバー業者は、Paralells社からPleskをより安価で仕入れる事を許されています。結果的に、契約者へライセンスをより安価で提供する事ができる様になります(Joe’sではPlesk付きで月額1,200円のプランがあります)。しかし、OpenVZ上では、通常の料金がかかるので、結果的にPleskのライセンス費用が、サーバー利用代金より高くなります。

また、Joe’sでは、コンテナ型のVPSとして、Virtuozzo以外にLXC(Linux Container)を提供しています。Virtuozzoが選ばれる場合、Parallelsの仮想サーバー管理のGUIやPleskを使いたいという理由がほとんどです。そうでなければ、LXCを選んだ方がメリット(高速で安価)があるからです。Joe’sでは、サービス提供のためにLXCを独自に修正したものを提供しています。OpenVZやVirtuozzoだとLinuxのパッチになりますが、LXCはLinuxの標準機能なので、最新のカーネルとともに動作し、高速です。Linuxをご存知の方であれば、LXCが有利であることはすぐにわかっていただけると思います(http://gihyo.jp/admin/column/01/vm/2011/lxc_container)。

Parallelsのエンジニアとは海外のイベントなどで定期的に面会している

OpenVZ自体無料ですから、極端な話、専用サーバーにインストールして、仮想サーバーとして契約者に提供すれば、誰でもVPSのビジネスが始められます。回数券を購入してバラ売りする、いわばディスカウントチケット屋のようなサービスになります。クラウドのサービスであれば、何らかの付加価値をつけてお客様に提供する、といった積極的な姿勢が必要であると思われます。Joe’sでは、日頃から、独自で安価なサービスを提供できるよう、努力しています。

8月号 [1] サーバーの信頼性確保、RAIDというよりは、HAクラスタに注目が

DRBDはネットワーク越しにミラーリングを行うシステム

Joe’sでは、専用サーバーのサービスを、8年間提供しています。契約時に、営業担当者がお客さんと話をするときに、「RAIDはどうなっていますか」という質問をよく受けます。しかし、RAIDを搭載していても、ディスク以外(電源や、メモリなど)が故障すれば、お手上げです。ハードウェアだけではなく、ソフトウェアのダウンなどを考えると、RAIDの守備範囲というものが狭いことがわかります。

完全仮想化とコンテナ型仮想化

そこで、通常のサーバー(アクティブ)以外に、同じネットワーク内でもう1台のサーバー(スタンバイ)を増設し、死活監視を行い、アクティブ側のサーバーのファイルへの書き込みと同じ動作を、スタンバイ側でも行います。この動作(ミラーリング)は、ネットワーク越しにおこなっている点を除いては、RAIDと同様です。この機能は、DRBD (Distributed Replicated Block Device)というシステムによって実現されます。

人気絶頂のJoe's VPS

そして、死活監視の結果、アクティブ側で故障を検出すれば、スタンバイ側に動作が切り替わります(フェイルオーバー)。この機能を実現するソフトウェアは商用でも種々のものがありますが、Joe’sではオープンソースのPacemaker/CoroSync ※1 (HeartBeatと共に良く利用されるクラスタスイート)を利用しています。複数台のサーバーで動作するシステムをクラスタといいます。HAは、High Availavility (高可用性)という意味ですが、狭義にはDRBDとフェイルオーバー実現するシステムを指します。

※1
  • PacemakerはHeartBeatの一部(CRM – Cluster Resource Manager 部分)が分離独立したプロジェクト)
  • CRMはクラスタとクラスタ管理者の間を取り持つもので、CLI(コマンドライン)による容易な制御インターフェイスを提供するもの
  • CoroSyncはOpenAISの機能限定版でクラスタノード同士の死活監視等、中核部分を担うもの(HeartBeatの死活監視とリソース管理部分に相当する)
  • OpenAISはRedhatのクラスタソリューションのベースに位置する実績のあるOSS
  • Pacemakerはクラスタスタックの中核にCoroSync、HeartBeatの何れかを選択可能。弊社はCorosyncを採用、世界的にも実績が豊富
  • 1台の物理マシンがダウンしたら、別のスタンバイのマシンに置き換えるのが基本ですが、ApacheやMySQLというサービス単位で監視復旧させる場合もあります。

    また、仮想化を前提としたフェイルオーバーを考えることもできます。物理的なマシンの上で、複数の仮想的なマシンが動作しているという前提です。Pacemakerが監視していて、アクティブ側で、一つの仮想マシンがダウンすると、スタンバイ側で同じ仮想マシンが生成されます。そして、ダウン直前のアクティブ側と同じ状態でスタンバイのサーバー側が動作します。

    2011年7月のOSC京都での山本の講演

    Joe’sでは、専用サーバー、および仮想専用サーバー(VPS, Virtual Private Server)にこの技術を応用することを検討してきました。そして、2011年8月18日より、専用サーバーおよびVPSのオプションとして、サービスを開始することが決定しました。VPSとして、Joe’sの専売特許であるコンテナ型のLXCを用いているので、完全仮想化などと比較して、スタンバイ側のマシンの動作も軽くなっています。

    高度な技術ではありますが、多くの皆様に提供させていただくために、価格も低く抑えています。初期設定の費用は、専用サーバーおよびVPSで、通常の初期設定と同額になります。月額費用は、専用サーバーの場合、通常の初期設定と同額、VPSの場合、通常の月額費用の50%となっています。

    Joe’sには、Linux-HA Japanの会合に出席しているエンジニアもいます。世界初のLXCによるVPSサービスの提供など、HAクラスタの技術でも、国内最高レベルを誇っていると自負しています。

    7月号 [2] VPSの最新ベンチマーク情報: KVMはI/Oに時間がかかりすぎる

    弊社では、2011年6月末に、KVM, Virtuozzo, LXCのVPSのベンチマークを測定しました。KVMは完全仮想型、VirtuozzoとLXCはコンテナ型による方式です。弊社では、VirtuozzoとLXCについては、それぞれPVZシリーズ、LXCシリーズとして、VPSのサービスを提供しています。

    完全仮想型とコンテナ型

    完全仮想型とは、物理的なマシンの上で、仮想的なマシンをエミュレート(ソフトウェアで同じ動作を実現)して、それぞれでOSを起動し、その上でアプリケーションを実行させる仕組みです(左図)。これに対し、コンテナ型は、異なる仮想マシン(コンテナ)に対応するプロセスたちを同じカーネルで混在させ、相互に異なるディスク領域へアクセスする仕組みです。

    Unix Bench

    完全仮想型の場合、異なるOSの仮想化ゲストを混在させるような用途に適しています。ただ、VPSで利用するなど、1個のインスタンスとしての性能を見る場合、KVMではなく、PVZやLXCのようなコンテナが有利であるということを、以前からお伝えしてきました(2011年5月号)。今回は、実際のマシンで測定してみました。

    数値は、UnixBenchといって、Linuxの処理性能を測定するためのソフトウエアによるものです。CPUの演算性能、アプリケーション実行時の処理性能を測定し、マルチコアプロセッサにも対応しています(コア数の違いによるパフォーマンスを評価)。整数演算、倍精度浮動小数点演算、パイプ処理、プロセス生成、実行関数の処理、ファイルの入出力やコピー、シェルスクリプトの実行など、約40項目が評価できます。

    測定に関しては、 

    • ハードウェア支援(Intel-VT、VT-d)を有効化
    • カーネルビルドオプションで最適化を指定
    • virtioを用いてI/O処理において極力オーバヘッドを低減
    • 同ハードウェア(CPU数,メモリ)、同コマンド

    というKVMにとって有利な条件を設定しました。それでも、総合評価で、LXC 5101.8、Virtuozzo 4028.1、KVM 3411.2という結果(大きいほど、処理性能が高い)になっています。特に、File Copyなど入出力に関しては、大きな性能の差異が確認できます。原因として、KVMの場合、一旦物理マシンをエミュレートするためのオーバーヘッドが大きく、I/O処理で負担になっていることが考えられます。

    この他、LXCがVirtuozzoと比較して高い性能を示しているのは、LXCの場合、常に最新のカーネルを利用出来ることが原因として考えられます。VirtuozzoはLinuxの標準ではなく、Linuxのパッチという形で与えられているため、どうしても開発が後手に回る傾向があります。

    この数値は、7月初旬に掲載されたインターネットコムの取材記事でも、掲載されています。

    7月号 [1] 世界初 LXCによるVPSに、熱い議論が: オープンソースカンファレンス2011 京都

    宮原氏と弊社鈴木禎子

    祇園祭ばやしが鳴り響く中、京都で開催されたオープンソースカンファレンス(OSC)2011に、Joe’sは協賛として参加しました(2011年7月15日-16日)。OSCにセミナーやブースを出展したのは今回が初めてでした。

    今回は、世界初となるLXCによるVPSサービスについて、参加者の方から意見を頂きたく、セミナー講演をしました。LXC は、OSによる仮想化の一方式で、Virtuozzo系(Parallels製品、OpenVZ)と比較して、Linuxの標準であるというメリットがあります。講演を担当した山本だけではなく、会社全体で直前まで時間をかけてプレゼンの準備をしました。 

    山本の講演

    講演は初中級者を想定したものでしたが、レベルの高い質問が5件で、本質をつくような質問も頂きました。50名の会場は一杯となりました。和気あいあいというよりは、真剣勝負といった感じでしょうか。ただ、終わってから、名刺交換をして話をしてみると、LXCに対する期待が非常に大きいということが、わかりました。隠れファンやマニアが多いのも、LXCの特徴かもしれません。 

    Joe'sのブース

    ブースにも、多くの方に来ていただきました。LXC以外に、EC-CUBE標準サーバーのご質問をいただきました。また、Joe’sの契約者の方が、ブースに来て声をかけていただきました。Joe’sの(阪神タイガースを思い起こすような)黄色いハッピが、場内で目立っていました。 

    Joe’sでは、この他、協賛企業として、OSCの一般参加者(抽選10名)にアルファSSL(定価14,700円、Joe’s SSL市場 8,400円)をプレゼントしました。次回、2011年8月20日の名古屋開催のOSCも協賛・参加します。

    OSCは、株式会社びぎねっと(代表: 宮原徹氏)と、地元のボランティアの方(今回は、吉田智子氏を中心とするグループ)の協力があって開催されています。こうした方々に感謝しながら、今後もOSCに積極的に参加していく所存です。

    4月号 [2] 世界最速の仮想専用サーバー(VPS)のサービスがJoe’sから新登場

    専用サーバーそのものではなく、実際に動作している物理的なサーバーの上で、複数の仮想的なサーバーを動作させ、その個々の仮想サーバーを提供するサービスのことを仮想専用サーバー(VPS)サービスといいます。

    同じマシンで、処理速度を上げるには、オーバーヘッド(間接コスト)を最小にする必要があります。例えば、各仮想サーバーにハードウェアをソフトウェアで模擬的に実行(エミュレート)させ、それに対してOSやアプリを実行させる(完全仮想化)などの方法があります。この場合、仮想化のための無駄な処理が含まれますが、Linux以外のいろいろなOSが実行出来るので、使い勝手がよいという利点があります。

    Joe'sウェブホスティング鈴木禎子代表取締役と山本政秀CTO

    Joe’sでは、2010年7月にParallelsのVirtuozzoによるVPSを提供しています。Virtuozzoは米国Paralells社がその前身であるSW Softの時代(2001年)に開発したもので、現在はそのオープンソース版であるOpenVZもよく利用されています。

    Joe’sでは、さらに2011年4月7日に、Linux Container (LXC)によるVPSの提供を開始しています。LXCもVirtuozzoもコンテナ化(OS仮想化)とよばれる方式をとっています。一般に、サーバーでは複数のプロセス(プログラムの実行)が同時に実行されます。コンテナ化では、各仮想サーバーに属するプロセスを同時に実行させ、しかも別の仮想サーバーのディスクの領域を侵さない仕組みが施されています。Linuxしか利用できないという欠点はありますが、完全仮想化よりも、処理効率は高いとされています。

    http://www.dreamnews.jp/?action_press=1&pid=0000030685

    VirtuozzoはLinuxにパッチをあてる(プログラムを部分的に修正する)ことによって提供されますが、LXCは、Linuxの標準的な機能の一部として提供されています。したがって、Linuxカーネルのバージョンアップと同時にLXCの機能も更新されるので、VirtuozzoやOpenVZと異なり、古いカーネルで実行しなければならないということはありません。他方、カーネルのバージョンの新旧で処理効率が大きく異なってきます。

    理論上優れていて評価が高く、しかも技術的な問題もないにも関わらず、今回のJoe’sのリリースまで、LXCのVPSのサービスが提供されませんでした。過去に商用の実績がないこと、技術資料が少ないことなどが理由であったものと思われます。今回のリリースは、Joe’sの山本政秀CTOの強いリーダーシップのもとで実現されました。cPanelが安価で提供されるというのも、新サービスの強みです。 月額750円のサービスも、Unixbenchとして2200という、専用サーバーと比較して遜色ない数値が出ています(http://www.cpanel-plesk.net)。

    LXCのVPSを使ってみたい、cPanelをVPSで使ってみたいという要望は数多くありました。皆様のご要望に答えられたものと自負しています。

    3月号 [1] 仮想専用サーバー(VPS)で知っておきたい、完全仮想とコンテナの2タイプ

    仮想化技術は、新しい概念ではなく、Windowsの上でMacを動かすなど、従来は、物理サーバーのOSの上に仮想化ソフトをおいてその上に別のOSを乗せる方法として、とらえられていました。3重になっていて効率はよくありませんでした。現在の主流は、この仮想化ソフトに相当するものがハードウェアの上に直接あるものです。仮想化ソフトが、複数のサーバーのハードウェア(x86)を模擬的に動作(エミュレート)させ、その上で任意の)OSを動作させる方法(完全仮想化)と、仮想化ソフトというよりはプロセスの集まりとして、仮想サーバーを実現する方法があります(コンテナ化)。

    1.完全仮想化
    最下部の仮想化ソフトでハードウェアを一旦エミュレートし、その上で任意のゲストのOSを動作させます。またカーネルの更新などもそれぞれ独立にできます。したがって、使い勝手がよく、異なるOSでの動作を検証する場合
    や、カーネルを自分でチューニングしたり、決めの細かい管理をしたい場合などに有効です。しかし、一旦ハードウェアの動作をエミュレートした上で、別の独立したOSを動かすので、コンテナ化と比較してオーバーヘッドが大きくなります。

    2.コンテナ化(OS仮想化)

    サーバーには、複数のプロセスが同時に動作しています。コンテナ化では、異なる仮想サーバー(ゲスト環境とよばれる)に属する複数のプロセスが同じOSの支配下で実行されます。そのため、OSが自由に選べません(FreeBSDやWindowsが使えないなど)。ただ、ハードウェアをエミュレートする必要ないので、完全仮想化と比較すると、仮想化のためのオーバーヘッドが少なくなります。サーバー資源を効率的に使う方法であると言えます。

    弊社VPSサービスはParallelsのコンテナ化(Virtuozzo)を採用しています。以下が各プランのUnixBenchの値です。

    プラン1, 1A 3400
    プラン2, 2A 2800
    プラン3, 3A 2200
    プラン4, 4A 1600
    (他社でも、価格の高いプランでないと、UnixBenchで、1500以上の数値は出ていないものと思われます。上記は、90%の時間での保証値で、実際にはもっと大きな数値になっています)。詳細は、http://www.joes-vps.com を御覧ください。